表紙の裏には、最初のステップとして10の"quick wins"が。短期間で結果が出る改善案といいつつも、紙の使用見直しや冷暖房の調整といった、まあ「ありがち」なものから、エコドライビングや出張の必要性を再検討するといったことまで含んだリストです。こういった改善の大前提となるのが、事業としてのカーボンフットプリントの算出。二酸化炭素の排出量をできるだけ減らすために、事業として何がどの程度できるのかを、具体的な数字や例を豊富にはさみながらみています。
読者のターゲットはたぶん、企業の管理職。環境プロジェクトに直接かかわってはいないものの、それなりの知識と認識を求められるような立場の人が、現状を把握するために読む、というかんじでしょうか。
アプローチが違う本ですが、以前読んだCradle to Cradleは、考え方としてはともかく、実際にどう使うかが見えてきませんでした。こちらはずっと現実的なレベルの話が展開されていて、ある程度は先を見通せる安心感があります。不況をうけて、企業の環境問題に対する取り組みが縮小・後回しになることをふまえて出版された本でもあり、特別大きな投資をしなくても効果が出る方法を紹介し、実践につなげていく意識を固めたいという著者の考えが透けて見えます。
Chris Goodall, The Green Guide for Business: The Ultimate Environment Handbook for Businesses of All Sizes, Green Profile, 2009, ISBN 978 1846 6887 44.
0 件のコメント:
コメントを投稿