2009年10月2日金曜日

年金改革協議:ポルダーモデルの行き詰まり

老齢年金(AOW:Algemene Ouderdomswet)の支給開始年齢(=法定退職年齢)を現在の65歳から67歳に引き上げたい政府に対して、労使側が代替案を出すために春から続いていた協議が決裂しました。

使用者側は、高齢化が進む中、労働力の安定的な確保のためにも段階的な引き上げを行うべきと主張。一方で労働組合(春と秋の政労使三者協議に参加している3組合:FNV、CNV、MHP)では、意見が統一できなかったようです。FNVとMHPは65歳以降の就労を制度として義務づけることには反対。CNVは67歳までの引き上げも検討するという姿勢を見せましたが、まず高年齢労働者と女性が65歳まで働き続けられるようにすることを条件としました。(実際のところ、オランダでは、抜け道のようなものも含めて制度的に早期退職が可能。65歳を待たずに引退するのがむしろふつう)FNVとMHPも、現行の退職年齢までの労働力率を上げる施策と、65歳以降も働きたい人は働ける制度を設けることを求めていました。

半年にわたる交渉が結局物別れに終わったことで、ポルダーモデル/オランダモデルのメカニズムが機能しないことを示す例がまたひとつ増えました。メディアへの対応を見ていると、政労使の合意どころか話し合いのテーブルにつくことができていたのかさえ疑問です。政府は当初の改革案をすすめる構えですが、労働組合側はすでに具体的な抗議行動を検討しているとのこと。来年3月の地方自治体選挙をみすえた政党のかけひきもあり、まだまだ後を引きそうです。

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