2009年11月20日金曜日

究極のたらい回し(2)

何回か試しても送信できず、ファックス番号を確認することにしました。一応インターネットでも探しましたが、担当部署は出ていません。手紙にはDHL International B.V. / Hoofddorp / The Netherlandsとあって、電話番号はカスタマーサービスのものしか出ていません。仕方がないのでそこにかけます。出たのは不機嫌そうな男性。
「ベルギーのXXの部署のファックス番号を確認したいのですが...」
「ベルギー? そんなのはわかりません。ここはオランダのカスタマーサービスです」
「それは知っています。オランダのDHLから来た手紙にベルギーにファックスを送るよう書いてあったのですが、番号が間違っているようなので確認したいんです」
「ベルギーのことはここではわかりません」
「Hoofddorpからの手紙で、この電話番号が書いてあるのに、なら問い合わせはどこにすればいいんですか」
「そんなのは知りません(「知ったことじゃない」というかんじ)。Hoofddorpに電話して聞いてください」
「オランダの方から来ている手紙で、参照番号もあるので、どの部署と話すべきか調べてください」
「そんなことはできません。とにかくHoofddorpにかけてください」
と、なんともな展開。Hoofddorpの電話番号はもらったので続いてそこにかけてみると、Amersfoort(また別の事業所)につながる。総合受付みたいなものかと判断して事情を話すと、
「それはここではわかりません。別の部署につなぎます」

次に出たのはベルギーのアクセントのある女性(#1)。
「ここではわからないので、別の部署に回します」
で、別の女性(#2)に同じことを説明。
「その部署につなぐことはできますが...」
というわけで、それらしいところに(#3)。ところが、こういう理由でファックスを送りたいのですが、と言うと、その担当はここではないと思う、という返事。確かに、ファックス番号は全然違うし、住所もあってない。手紙にサインした人の名前も先方は知らない。ブリュッセルで通関となっていればベルギーが情報受付窓口になるが、詳しくはわからない。なので、
「カスタマーサービスにつなぎます」
とベルギーのカスタマーサービスに(#4)。
「ファックス番号はこちらではわかりませんので、その部署と直接お話しください」
こうやってたどり着いた女性(#5)に、また事情を話す。すると、
「調べますので、お客様番号をいただけますか?」
やっと話が具体的になったと思って番号を言いかけると、途中でさえぎられる。
「それはオランダのお客様番号です。ここでは対応できません」
「この電話はもともとオランダのHoofddorpにかけたんです。何人もの人と話して、あなたのところに回ったんですが。オランダのDHLから来た手紙に、ベルギーのこの部署にファックスを送るよう書いてあって、どうやらこの荷物はブリュッセルで通関されたらしいのですが」
「変な話ですけど、調べましょうか」
あらためて番号を伝えると、
「...あ〜、最近手紙が行ったんですね。え〜っと...」
ってことは、最初のオランダのカスタマーサービスでもやっぱり確認できたはず。あの対応にまたもやもやした気持ちがわいてくる。
「でも、ここにファックスを送るというのは、どうもおかしいように思います。ちょっと電話で聞いてみます」
待たされること数分。
「手紙を出したオランダの部署と話しました。こちらに送ってもらうので正しいそうです。私にとっても初めてのことなんですけど。ただ、手紙のファックス番号は間違ってます」
と、やっと目的を達成。7人(プラス最後の女性が電話した相手:少なくとも1人)と話さなければわからないようなことか? という疑問ともやもや感は残るものの。 

ファックスはこの後すぐ送りました。たぶんこの流れについて苦情を書き添えるのがオランダ流なのだとは思いますが、そのエネルギーはありませんでした。そして、期待どおりというか何というか、まだ返事はありません。いったいどうなるやら...。




2009年11月19日木曜日

究極のたらい回し(1)

お隣のドイツやベルギーに比べてオランダのサービスの質が劣るのは、周囲のオランダ人も認める事実。よくも悪くも個人の資質によるところが大きく、きちんと対応してもらえるかどうかは担当者次第というのもふつうです。いろいろ痛い目にあってずいぶん鍛えられたと思っていたのですが、それでもびっくりするしかない、究極のたらい回し —オランダ語では"(iemand) van het kastje naar de muur sturen(人を)戸棚から壁に行かせる"と言います— 体験をしました。

相手はDHL。日本のAmazonで本を買うと、商品が到着して数ヶ月後にオランダの付加価値税プラス手数料の請求書が送られてきます。これまで何回かの分も間違っていて、電話したりメールを書かされたり、いつもやれやれというかんじの手続き。今回は、6月半ばに受け取った荷物について、10月初めに請求書が届きました。このときの不備は3つ。
1) 通関手続きの明細書がない
2) 金額が間違っている(円の額にユーロの単位がついている)
3) 内容物が本なのに、税率が19%になっている(本の場合は6%)
で、請求書にある番号に電話。このとき対応してくれた人は、確かに金額は間違っているし、本となっているので新たに請求書が送られるはずです、今の請求書は無視してください、という答えで、拍子抜けするくらいあっさり終了。なので明細書の送付はお願いしませんでした。その後、11月半ばになっても請求書は来ないまま、週末にかけて留守にしていた間に届いていた手紙を読んでびっくり。
「税率が間違っているという件について、商品の内容を確認するための情報が必要です。...つきましては、その情報をXXX@dhl.comにメールしていただくか、以下にファックスまたは郵便でお送りください。...なお、この件について10日以内にお返事がいただけない場合、当方での確認は不要と判断されたものとします...」
この手紙は11月2日付なのですが、私は11日までは毎日郵便物をチェックできる状況にいたので、届いたのは12日以降。つまり、文面通りに解釈すれば、読んだ時点ですでに遅し、ということ。それに、通関書類に本と明記されている(と聞いた)のに、いまさら何を出せというのか、理解できません。

それでも、返事をしなかったために間違っている請求額を支払うはめになるのはくやしいので、Amazonの請求書を送ることにしました。メールアドレスは前に嫌な思いをしているものと同じだったこともあり、ファックスで。これがなぜかベルギーの部署だったのですが、手紙に書いてあるのでそのとおりに。ところが、ファックスがつながりません。どうも番号が間違っているようなのです。



2009年11月11日水曜日

AKO Literatuurprijs 2009

今年のAKO Literatuurprijsは、ベルギーの作家 Erwin Mortier の Godenslaap (De Bezige Bij) が受賞しました。Mortier(1965- )は、Dimitri Verhulstとともに、オランダでも知られているフラマン語作家。

選考委員のコメント:圧倒的な筆致、意表をつく表現で第1次世界大戦を女性の視点から描いた初の長編小説。オランダ語文学ではさほど注目されてこなかった時代を独特に表現している。

なお、受賞作以外に最終選考に残っていたのは次の5作品。
Joris van Casteren - Lelystad - Prometheus
Joke van Leeuwen - Alles nieuw - Querido
Carolina Trujillo - De terugkeer van Lupe Garcia - Meulenhoff
Christiaan Weijts - Via Cappello 23 - De Arbeiderspers
Tommy Wieringa - Caesarion - De Bezige Bij

ちなみに今日は第1次世界大戦が終結した日でもあります。

2009年11月4日水曜日

拡張現実を取り入れたキャンペーン

Selexysで本を買って袋に入れてもらったら、小さなパンフレットがついていました。表紙にコフィ・アナン前国連事務総長の写真。その横に"バーチャル・ポップアップ絵本"と小さく書いてある。中身は黒枠の中に写真から起こしたような絵がページの片側に続くだけ。表紙裏の説明にあるサイトへ行ってみると、またアナン氏登場。エチオピアに暮らす女の子の物語を知ってほしいという。さらに進む。ウェブカムの設定をして、音声にあわせてパンフレットをカメラの前にかざすようにという指示。すると、Halimaという少女の世界がカラーで飛び出してきました。パンフレットを持つ角度を変えると、遠くの景色も見えます。

これ、地球温暖化が途上国に及ぼす影響を訴えるキャンペーンだそうです。Augmented Reality(拡張現実)を使ったここまで大規模の取り組みは世界でも例がないらしく、そのことの方が注目されているようですが。ちなみに、パンフレットの発行部数は130万部とのこと。

パンフレットがなくても、キャンペーンのサイト上で画像を印刷すれば(Hier is het boekje > Download het pop-up boekje)絵本は見られます。ただし、パンフレットと同じではないと断り書きがあります。