2011年8月18日木曜日

勉強の週

今朝は窓を開けたら空気がひやっとしてました。雨ばかりで肌寒く、夏らしく晴れ上がった日が数えるほどしかないまま、秋の気配です。

5月から参加している環境学のコース、気候変動の影響を直接的に受けている人たちの経験を政策決定にどう関与させられるか、というテーマで、読んだり書いたりしています。アプローチとしてはおもしろいけど、テキストやケースの選択にどうもひっかかるところがあって、でもそれをうまく説明できる言葉が見つからずもやもや。最初は、Globalと言うわりにはヨーロッパと開発援助の対象としてのアフリカ・アジアという型で押していくのが嫌なのかと思っていたのですが、もっと深いところでも何かあるような。落としどころというか、自分で納得できる視点を模索中。

2011年8月15日月曜日

レシピブック交換会

料理雑誌delicious. からのDMに、レシピブックの交換できます、というお知らせが。レストランや食品メーカーが参加する夏恒例のイベントでの催しとのこと。手順はシンプル。
  1. 本を包装する。
  2. ラベルに紹介文を書く(いちばんおすすめのレシピ、本を気に入っている理由...)。
  3. ラベルを本に付けて指定の棚へ。代わりに好きな本を1冊抜き出す。
ラベルはサイトのものを印刷して、項目を埋めて持ってきてね〜と、とてもお気楽な説明があるだけ。しかも開催は今週末。どんなふうになるのか見たいけど、行くのは無理。盛況なら記事になるかな。しかし、読まない本、使わない本の交換ならともかく、思い入れのあるお料理の本を知らない人に譲るというのは成立するんだろうか? 代わりの1冊を選ぶにしても、紹介文のラベルに著者名やタイトルの項目はないし、なかなかハードルが高い気がする。


2011年8月4日木曜日

ノルウェー連続テロの余波(たぶん1)

7月22日にノルウェーで起きたテロ事件。逮捕された実行犯は日本と韓国を理想として挙げていて、精神鑑定に日本人の専門家を要求していることは日本語のニュースにもなりました。こちらで分析記事が出るのはもう少し先でしょうが(なによりオランダのメディアは夏休み中)、ウィルダース・PVV党首の言動との関連付けはともかく、その批判に偏らない論説を出す時間があるかは疑問。9月に入って国会が再開すれば、議論が政治的な立場表明に引っぱられることは目に見えています。事件をどう考えるかと問われて肯定・支持するはずがないのに。

先週土曜日のde Volkskrantには、オランダでもファンが多いノルウェーのミステリ作家Jo Nesbøが書いた文章の翻訳が掲載されていました。「ノルウェーはもう無垢ではない」というタイトルで、何も変わらない・何も起こらない社会だという共通の感覚(=思い込み)は事件があった日を境に変わってしまったと述べられています。

[...いつも普通にあるものだと思っていた安心感や信頼は大きく揺らいだ。後戻りはできない。追悼集会には、冷静沈着を旨とする国民性からは意外なほど大勢の市民が参加した。これは、わたしたちが受け継いできた価値観を奪う者を許さないという意思、恐怖心には屈しないという決意の表れだ。ノルウェー人はこれから、 当たり前のものなどないということを毎年思い返すだろう。...]

Nesbøは作家として成功し、文中のエピソードによれば現首相とサイクリングに出かけるような友人関係でもあるらしく、そういう背景を考える必要はあるでしょう。それでも、お互いにルールを守っているから大丈夫、怖がる必要はないという常識が崩れたことに対する静かな憤りが伝わる文章でした。

ちなみにこの寄稿文、ニューヨーク・タイムズにも掲載されたのですが、まずタイトルが違います(The New York Times: The Past Is a Foreign Country)。またウェブ上で読む限り、ヨーロッパに関わる文脈が削られてかなり短くなっていました。結びの段落を引用。
So if there is no road back to how things used to be, to the naive fearlessness of what was untouched, there is a road forward. To be brave. To keep on as before. To turn the other cheek as we ask: "Is that all you've got?" To refuse to let fear change the way we build our society.
今後明らかになるであろう事件の詳細とは別に、その先を見据えた声も現地ではたくさんあるのだと思います。日本の地震のニュースがすっかり消えてしまったオランダの状況と重ね合わせています。