2007年12月10日月曜日

広告しなくても大丈夫?

Michael Phillips & Salli Rasberry著、Marketing without Advertising (Nolo, 2005)を読みました。むやみやたらと広告をうつのではなく、それほどお金をかけずにできることをきちんとおさえ、クチコミのネットワークにうまく乗るための秘訣を実例を交えてまとめた本。今このタイトルでキーワードがクチコミと聞くと、当然ウェブやブログを考えますが、とんでもない。探している人が必ず見つけられるようにイエローページに名前を掲載しようとか、かなりローテク。それもそのはずで、初版は1986年なのでした。2005年の改訂第5版にはインターネット上でのマーケティングについて触れた章もあります。が、なんとも内容が薄い。著者のこれまでの経験ではカバーしきれない部分なのでしょうか。
(ちなみに、著者のブログによると第6版が出る/出た模様。インターネットについての記述が大幅改訂されているようです)

法律コンサルタントやデザイナーなど、1人で仕事をしている人の例も出てくるものの、全体としては地元密着型の中小企業がターゲットという印象。昔ながらの地道な努力・工夫が新しい顧客につながっていく、という話で、目新しい点はありません。反面、ひとつの「あり方」をシンプルなかたちで示しているともいえるかも。クチコミの威力が良くも悪くもとんでもなく大きくなっている現在、芯の部分を大切にしないと息の長いビジネスは育ちません。次々と新しいツールが生み出される世界でこの本が20年も読み継がれているのは、基本からぶれない姿勢を素朴に説いているからでは。

広告、営業、PR—ひとり会社として、自分の仕事の価値を誰に、どうやって伝えるかというのは大きな課題です。こつこつと成果を積み上げていくことがいちばん重要とはいえ、それを知ってもらえなければ次にはつながらないわけで。ネット上であれ、ローカルのレベルであれ、コミュニティのネットワークをうまく使ってなるべく正確な情報を効果的に広める。そのヒント集として読める本でした。

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