2007年12月28日金曜日

年の瀬

先週の冬らしい寒さも長続きせず、ホワイト・クリスマスとはなりませんでした。

オランダでは12月25、26日が祝日。新年は1日だけお休みで、通常仕事は2日から。ですが、クリスマス前後から年明けまで続けて休みを取る人もけっこういます。今年は21日の金曜日で仕事納めというパターンも多かったようです。

時々お仕事させていただく翻訳会社さんと翻訳者データベースを共有しているという別の会社から駆け込みの問い合わせが1件。日本語の案件には慣れていないのか、いまいち要領を得ません。最初のメールにあった条件を満たさないので断ったところ、作業日数を出してほしいと再度連絡が。返信はしたものの、先には進まないような予感。どこかで「いつもの外注先」がお休みで回ってきたお話だと思うので、うまく転べばラッキー、しっかりやるだけです。

2007年12月19日水曜日

クリスマスカード

先週末から届き始めました。まずは会社関係のものから。

基本的にメールのやりとりで仕事が進んでいくようになっても、オランダのクリスマスカードはやはり紙媒体が主流。日本でいう「虚礼廃止」の議論も聞きません。メールでカードを出す企業も少しずつ増えてはいるようですが、まだまだ少数派です。

個人的には、受注から納品、請求書の送付までメールですませ、緊急事態でなければ電話で話すこともないというお付き合いでは、クリスマスカードだけ紙である必要はないと思います。といってメールでカードを別に送るというのもあまり気が進まないので、ここ数年は年末/年始の仕事メールに「楽しいクリスマスを」とか「今年もよろしく」と添えて切り抜けています。ご挨拶したいのは会社というよりそのコーディネーターさんだという気持ちもあって。2、3歩踏み込んだお付き合いをさせていただいているところには、やはり紙のカードです。

そんな中、昨日届いたカードはひと味違いました。この翻訳会社さんでは2年くらい前にクリスマスカードをメールに切り替えて、その関連で浮いた金額をNGOに寄付しています。今年の寄付先は、「国境なき医師団」とCOC(ゲイ・レズビアン・バイセクシャル・トランスジェンダーの支援団体)アムステルダム支部とのこと。別の会社からも、今年は紙のカードをやめ、その分を世界自然保護基金に寄付しましたというメールをいただきました。あまり規模が大きい会社だとかえって動けないのかもしれませんが、新しいアプローチですね。エコでもあり、クリスマスにふさわしいと浸透していくのかも。

2007年12月10日月曜日

広告しなくても大丈夫?

Michael Phillips & Salli Rasberry著、Marketing without Advertising (Nolo, 2005)を読みました。むやみやたらと広告をうつのではなく、それほどお金をかけずにできることをきちんとおさえ、クチコミのネットワークにうまく乗るための秘訣を実例を交えてまとめた本。今このタイトルでキーワードがクチコミと聞くと、当然ウェブやブログを考えますが、とんでもない。探している人が必ず見つけられるようにイエローページに名前を掲載しようとか、かなりローテク。それもそのはずで、初版は1986年なのでした。2005年の改訂第5版にはインターネット上でのマーケティングについて触れた章もあります。が、なんとも内容が薄い。著者のこれまでの経験ではカバーしきれない部分なのでしょうか。
(ちなみに、著者のブログによると第6版が出る/出た模様。インターネットについての記述が大幅改訂されているようです)

法律コンサルタントやデザイナーなど、1人で仕事をしている人の例も出てくるものの、全体としては地元密着型の中小企業がターゲットという印象。昔ながらの地道な努力・工夫が新しい顧客につながっていく、という話で、目新しい点はありません。反面、ひとつの「あり方」をシンプルなかたちで示しているともいえるかも。クチコミの威力が良くも悪くもとんでもなく大きくなっている現在、芯の部分を大切にしないと息の長いビジネスは育ちません。次々と新しいツールが生み出される世界でこの本が20年も読み継がれているのは、基本からぶれない姿勢を素朴に説いているからでは。

広告、営業、PR—ひとり会社として、自分の仕事の価値を誰に、どうやって伝えるかというのは大きな課題です。こつこつと成果を積み上げていくことがいちばん重要とはいえ、それを知ってもらえなければ次にはつながらないわけで。ネット上であれ、ローカルのレベルであれ、コミュニティのネットワークをうまく使ってなるべく正確な情報を効果的に広める。そのヒント集として読める本でした。

2007年12月6日木曜日

1,225時間の壁


今月半ばに予定されていた通訳の案件、キャンセルになってしまいました。
4日間の業務だったので、実はけっこう痛い。
体調が今ひとつなので、忙しくないのはある意味ありがたいのですが...。
たまった資料を整理したり、まとまった時間がないとなかなかできないことを片付けて、すっきり年末を迎えたいところです。

ところで、オランダで起業すると、いわゆる事業者控除を受けるための条件がいくつかあります。「事業のために年1,225時間以上を費やす」というのもそのひとつ。何のためにどのくらいの時間をかけたかを記録しておき、税務署の求めに応じて提出しなければなりません。ただこの基準、起業ガイドブックなどでは「事業に関連する時間すべてを含む」とあるものの、税務署(の地方局/の担当者)によって運用がかなりあいまいで、裁判まで行った例もたくさん。
最近は週末起業やパートタイム起業というスタイルが増えてきていることもあり、この基準は時代にそぐわない、撤廃すべきという議論もあるのですが、なくなるという話は聞きません。

私もこの件でチェックが入り、間接業務の時間が「多すぎる」ということで控除が認められなかったことがあります。仕事用のウェブサイトを作った年も、「時間がかかりすぎ」で、控除はなし。
「どのくらいの割合ならOKなんでしょう? 今後のためにも教えてください」という質問は、何度聞いても無視されたまま。
というわけで、今月このまま静かなら、私にとっては必要とはいえ、税務署的にはアヤシイ時間が多くなることに。監査が入るとしても2年後の話なので、今のところはやるべきことをきちんとすませることにエネルギーを使いましょう。