2014年12月15日月曜日

ラップと吃音



今年オランダで大ブレイクしたTyphoon(1984 - )というラッパーのインタビューを観はじめてすぐ気がついたこと。彼、吃音があるのです。聞き手がまたTheo Maassenというコメディアンで、「ときどき出るみたいだけど、それって昔から?」とさらっと質問。子どもの時からで、矯正(という言い方が適切かどうかはさておき)も長い間受けていた、いまは緊張したり、疲れたりするとひどくなるかな、という返事。満面の笑顔でステージを飛び跳ねて言葉を繰り出す人とは結びつきませんが。

何かを言おうとするときは、単語を1つだけ思い浮かべるのではなくて、5つくらい表現を用意しておく。最初の言葉でつまってしまったときに別の言い方にスイッチできるように、とも話していましたが、いつもそうならこれだけでかなりエネルギーを消耗すること。でもそれは同時に「どう伝えるか・どう伝わるか」の実験でもあるわけで、そうやってたくさん考える先に彼のラップがあるのかもしれません。

質問を真面目に受け止めて、穏やかに楽しそうに答えているのが印象的でした。

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