2012年6月1日金曜日

オランダ・ミステリガイド 2012年


オランダ語で出版されたミステリをまとめたガイドブック、VN Detective & Thrillergidsが発売されました。第33号となる今号では、2011〜2012年に出版された380作品と、それ以前に出(て評価の高かっ)た314作品がまとめて解説されています。

去年は北欧の作品が多い印象でしたが、今年はそれほどでもなく。かわって目についたのはスペイン語圏やイタリア語からの翻訳。英語圏の作品は、いわゆる大御所はともかく、数に比べて評価が高いものは少なめのようです。


「大賞」に選ばれたのはDeon Meyer。南アフリカ発のミステリというのも珍しい。ケープタウンを舞台とした警察小説と紹介されています。大賞を含め5つ星(満点)を獲得したのは以下の7点。久々にオランダ語オリジナルの作品(C. den Tex)がリスト入りしました。
  • Deon Meyer - 13 uur(原題:13 Uur, 2008)- A.W. Bruna
  • R.J. Ellroy - De helden van New YorkSaints of New York, 2010)- De Fontein
  • Jo Nesbø - De schimGjenferd, 2011)- Cargo
  • Ferdinand von Schirach - SchuldSchuld, 2010) - De Arbeiderspers
  • Charles den Tex - De vriend - De Geus
  • Stephen King - 22-11-1963(11/22/63, 2011) - Luitingh
  • Domingo Villar - Het strand van de verdronkenenLa playa de los ahogados, 2009) - Karakter
オランダ語オリジナルの作品は概して評価が低いのですが(星1つ、中には0というものも)、ベルギーの作家には星4つの評価が複数ありました。そのうちの1冊、Terug naar Hiroshima(Bob Van Laerhoven, Houtekiet, 2010)はプロットについていけず挫折した本。遠い国日本の話という読み方ができなかったのでした。

ちなみに日本の作家では唯一、東野圭吾の『容疑者Xの献身』が「サイコスリラー」というジャンル分けで3つ星評価を獲得しています。




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