2011年6月22日水曜日

オランダ政府の文化予算カット(案)

10日ほど前に発表された文化・芸術関連予算の大幅削減案。その影響については、一般紙では今のところ「反対」「必要」という投書と短い論説が掲載されるにとどまっています。反対の意思表示、例えば公開質問状や署名運動などは小さな記事で扱われるのみ。今日は芸術家のグループがThe New York Timesに広告を出したというニュースがありました。"Do not enter the Netherlands - Cultural meltdown in progress"って、どうかなと思いますが。

削減案は、年間予算を2億ユーロカットし、残る7億ユーロを助成金として配分するというもの(2013年1月から)。この制度で国の助成金を受けられる団体の数は現在の半分の90前後になるそうです。パイが小さくなるのは明らかながら、国内外で知られている団体への影響は極力抑える方針が打ち出されています。つまり、有名どころ(国立博物館、NDT、ネーデルラント・オペラなど)に対しては削減幅が小さいということです。

現在国の助成金を受けている団体・組織の数がどう減るかをみると、
  • ダンスカンパニー 7 > 4
  • 演劇フェスティバル 15 > 1
  • オーケストラ 10 > 7
  • 視覚芸術ギャラリー 11 > 6
  • 教育機関の芸術研究課程 11 > 2
  • 舞台関係の若手支援機関 21 > 0
...と、新しい才能を育てる土壌がなくなることがわかります(参考:de Volkskrant、2011年6月11日)。国や基金・財団からの補助金ありきの姿勢はつねづね疑問に思っているし、Zijlstra文化担当相の「助成金に頼らなくても成立するしくみを」という主張には大いに賛成。でもそれなら新人の活動を手厚く支える制度であるべきでは。来週の国会での議論にも注目です。


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