2011年12月14日水曜日

クリスマスカード

9月からほぼ毎週乗っている国境越えの電車、昨日は線路沿いの家が一気にクリスマス仕様になっていました。オランダのものと思われがちな12月5日のシンタクラース、ドイツでも地方によってはお祝いします。それが終わると慌ただしくクリスマスになるのもこの辺り(オランダの南端)と共通。

気がついてみれば12月も半ば。クリスマスカードの準備をする時期です。オランダではクリスマスカードや年賀状に使える専用切手"Decemberzegel"があって、毎年違ったデザインで売り出されます。今年のDecemberzegelは、いつも読んでいる雑誌のチームが手がけるということもあって、楽しみにしていました。去年のもノスタルジックな路線でしたが、今年の方が、やさしくあたたかい雰囲気が伝わる図案。

ちなみに、オランダ語でクリスマスカードに書く文は、
Prettige kerstdagen en een gelukkig nieuwjaar
 = Merry Christmas and a Happy New Year 
がいちばんふつうのパターン。
このkerstdagen(クリスマス)はfeestdagen(祝日)にも交換可能。なので
Prettige feestdagen en een gelukkig nieuwjaar
 = Happy holidays and a Happy New Year 
もよくあります。単語を大文字で始めて
Prettige Kerstdagen en een Gelukkig Nieuwjaar
Prettige Feestdagen en een Gelukkig Nieuwjaar
もあり。ほかには
Zalig Kerstfeest en een Gelukkig Nieuwjaar
 = Blessed Christmas...
というのもありますが、これは主にカトリックの人が使う表現で、ちょっと古いかんじがします。周囲でこの言葉を使う人の年齢が高めということもあるのでしょうが。

メールその他での挨拶も「あり」です。でも数は少ないながら、カードを選んだり文面を考えたり、そして実際に手で書いていくのはなかなか楽しい。ちょっとゆっくり誰かを思う時間です。


2011年11月1日火曜日

AKO Literatuurprijs 2011

今年のAKO Literatuurprijsが昨夜発表されました。受賞作はMarente de Moor(1972 - )のDe Nedelrandse maagd。1936年の夏を国境のすぐ向こうのドイツの村ですごすことになったオランダ人少女の体験を描いた作品。短評では"Bildungsroman"という言葉が使われています。複数の書評があまり響いてこなかったのでまだ手にしていませんが、近所が舞台ということもあるし、読む本リスト入り。

ちなみに、最終選考に残っていたのは次の6作品。

  • Jeroen Brouwers - Bittere bloemen - Atlas
  • Peter Buwalda - Bonita Avenue - De Bezige Bij
  • Arnon Grunberg - Huid en Haar - Nijgh & Van Ditmar
  • Marente de Moor - De Nederlandse maagd - Querido
  • Marja Pruis - Kus me, straf me - Nijgh & Van Ditmar
  • P.F. Thomése - De Weldoener - Contact

Peter Buwaldaはデビュー作のBonita Avenueが話題になって、いくつか賞も取って勢いがある作家。個人的にはThoméseが好みだけど、この顔ぶれではやはり大御所のBrouwersか、40歳にして20年近いキャリアのあるGrunbergかなと予想していましたが、はずれ。もっとも、一般のニュースを見ているかぎりでは意外な結果だったようで、記事の見出しにもそれが現れています。




2011年10月10日月曜日

勉強の週(その2)

しばらく遠ざかってしまいました。雨ばかりだった7、8月の埋め合わせ? というようなお天気も終わり、本格的に秋です。

この1カ月は、環境政策のグループワークが3週間。もともと2週間の予定だったのが急に変更になり、1日単位の負担が軽くなるのかと思ったのは甘かった。土日も含めてアウトプットを求められ、予想以上にたいへんな展開でした。気候変動には直接関係ないけれど、政治と科学と市民の関係について、大震災以後の日本ではいろいろ動き始めているよ、という話をしたら興味を持ってくれた人がいました。あとはレポート、これは1人の作業なので気が楽ですが、読むべきものをまだ読み切れてないところに担当の先生からメールが来たりで焦りを感じています。読みたい本の山の方はあまり見ないようにしてのりきりたいところ。

2011年9月6日火曜日

北京ブックフェア2011とオランダ

オランダのビジネス業界、インドの次は中国という流れはここ数年来のことですが、最近すごいと思うのは出版関係。たくさんの本が中国語で翻訳出版されています。オランダという国はよくも悪くも経済的なつながりを求める歴史があるし、中国の発展の勢いをみれば当然とはいえ、アジアは中国をおさえればOK、となってしまうのは残念というかちょっと複雑。

オランダは先週北京で開催されていた国際ブックフェア(BIBF 2011)のゲスト国でした。言論の自由を第一とするオランダが検閲や人権の制限を公然と行っている中国でゲスト国となることをなぜ選ぶのかという批判、また大勢の作家や文化関係者が(夏休み前に文化予算大幅カットを公言した大臣たちと一緒に)派遣され、公式行事に出席することは許しがたいといった意見が出ていたところに、ブックフェアにからんでオランダ側と連絡を取った中国人の作家が自宅軟禁されたというニュースが伝えられたり、オランダ国内での関心は高かったようです。

土曜日のde Volkskrantに、オランダ文学基金(Nederlands Letterenfonds)の代表、Henk Pröpper氏の短い文章がありました。肯定的な印象を伝えるのはまあ当然ながら、ビジネスの成果に触れているところがおもしろい。歴史・哲学書の出版社Historische Uitgeverijはなんとすべての出版物について、児童書のLeopoldも子ども向けのシリーズ複数で商談成立。ファン・ゴッホ美術館はゴッホの書簡集の権利に関して、オランダの出版社としては歴史上最高額の契約を結んだとのこと。今後の総括や実質的な評価はふつうの新聞などでは伝わらないでしょうが、翻訳出版の動向とあわせて気にしておきたいところ。

なお、オランダパビリオンのウェブサイトOpen landscape - Open bookでは関係者のブログが読めます(英語と中国語)。そのなかで、China Reading Weeklyの記者Kai Kang氏の投稿「オランダの出版社のみなさんへ:中国の出版市場進出に関する7つのルール」が秀逸。
If there’s sensitive content in your book, you’d better choose a big publisher, whose editors would more experienced and more skillful, that is: sensitive content could be retained more.
ですって。そういうことをしないことも含めて「言論の自由」を掲げているのだと思いますが...。

2011年8月18日木曜日

勉強の週

今朝は窓を開けたら空気がひやっとしてました。雨ばかりで肌寒く、夏らしく晴れ上がった日が数えるほどしかないまま、秋の気配です。

5月から参加している環境学のコース、気候変動の影響を直接的に受けている人たちの経験を政策決定にどう関与させられるか、というテーマで、読んだり書いたりしています。アプローチとしてはおもしろいけど、テキストやケースの選択にどうもひっかかるところがあって、でもそれをうまく説明できる言葉が見つからずもやもや。最初は、Globalと言うわりにはヨーロッパと開発援助の対象としてのアフリカ・アジアという型で押していくのが嫌なのかと思っていたのですが、もっと深いところでも何かあるような。落としどころというか、自分で納得できる視点を模索中。

2011年8月15日月曜日

レシピブック交換会

料理雑誌delicious. からのDMに、レシピブックの交換できます、というお知らせが。レストランや食品メーカーが参加する夏恒例のイベントでの催しとのこと。手順はシンプル。
  1. 本を包装する。
  2. ラベルに紹介文を書く(いちばんおすすめのレシピ、本を気に入っている理由...)。
  3. ラベルを本に付けて指定の棚へ。代わりに好きな本を1冊抜き出す。
ラベルはサイトのものを印刷して、項目を埋めて持ってきてね〜と、とてもお気楽な説明があるだけ。しかも開催は今週末。どんなふうになるのか見たいけど、行くのは無理。盛況なら記事になるかな。しかし、読まない本、使わない本の交換ならともかく、思い入れのあるお料理の本を知らない人に譲るというのは成立するんだろうか? 代わりの1冊を選ぶにしても、紹介文のラベルに著者名やタイトルの項目はないし、なかなかハードルが高い気がする。


2011年8月4日木曜日

ノルウェー連続テロの余波(たぶん1)

7月22日にノルウェーで起きたテロ事件。逮捕された実行犯は日本と韓国を理想として挙げていて、精神鑑定に日本人の専門家を要求していることは日本語のニュースにもなりました。こちらで分析記事が出るのはもう少し先でしょうが(なによりオランダのメディアは夏休み中)、ウィルダース・PVV党首の言動との関連付けはともかく、その批判に偏らない論説を出す時間があるかは疑問。9月に入って国会が再開すれば、議論が政治的な立場表明に引っぱられることは目に見えています。事件をどう考えるかと問われて肯定・支持するはずがないのに。

先週土曜日のde Volkskrantには、オランダでもファンが多いノルウェーのミステリ作家Jo Nesbøが書いた文章の翻訳が掲載されていました。「ノルウェーはもう無垢ではない」というタイトルで、何も変わらない・何も起こらない社会だという共通の感覚(=思い込み)は事件があった日を境に変わってしまったと述べられています。

[...いつも普通にあるものだと思っていた安心感や信頼は大きく揺らいだ。後戻りはできない。追悼集会には、冷静沈着を旨とする国民性からは意外なほど大勢の市民が参加した。これは、わたしたちが受け継いできた価値観を奪う者を許さないという意思、恐怖心には屈しないという決意の表れだ。ノルウェー人はこれから、 当たり前のものなどないということを毎年思い返すだろう。...]

Nesbøは作家として成功し、文中のエピソードによれば現首相とサイクリングに出かけるような友人関係でもあるらしく、そういう背景を考える必要はあるでしょう。それでも、お互いにルールを守っているから大丈夫、怖がる必要はないという常識が崩れたことに対する静かな憤りが伝わる文章でした。

ちなみにこの寄稿文、ニューヨーク・タイムズにも掲載されたのですが、まずタイトルが違います(The New York Times: The Past Is a Foreign Country)。またウェブ上で読む限り、ヨーロッパに関わる文脈が削られてかなり短くなっていました。結びの段落を引用。
So if there is no road back to how things used to be, to the naive fearlessness of what was untouched, there is a road forward. To be brave. To keep on as before. To turn the other cheek as we ask: "Is that all you've got?" To refuse to let fear change the way we build our society.
今後明らかになるであろう事件の詳細とは別に、その先を見据えた声も現地ではたくさんあるのだと思います。日本の地震のニュースがすっかり消えてしまったオランダの状況と重ね合わせています。