2013年4月30日火曜日

オランダ新国王即位

オランダで新国王が即位しました。女王が3代続いた後で、国王は123年ぶり。46歳というと国王としては若いのでしょうが、この業界(?)の世代交代がたまたま今回オランダで始まったということでは。

新国王夫妻はリラックスした雰囲気で人気があります。即位前のインタビューでも、国王本人が「自分は儀礼的なきまりごとにはこだわらない」といった発言をしていました。その通り、というべきか、祝賀水上パレードでは途中で予定外にボートを下り、もう演奏が始まっているコンサート会場に立ち寄るという「ハプニング」がありました。トランスミュージックが響き渡るステージに家族5人で登場、DJとがっちり握手を交わして観客に向かって手を振るというパフォーマンス。新しいスタイルを印象づけました。

2013年3月26日火曜日

EUをめぐる国民発議に5.5万人署名

EU関連条約改正時に国民投票を実施することを求めるイニシアチブ(国民発議)に、55,000人分の署名が集まったそうです。提出に必要とされる4万人のラインを超えたというニュースがあったのは3月上旬。これで注目度が上がったか。先月、国民投票法案が下院で可決されたと書きましたが(2月19日の投稿)、これはまた別の話。議会委員会でOKが出れば審議に付されることになりますが、制度ができた2006年以降の例をみるとかなり厳しい(これまでに提出された12件のうち8件は適格性なしとの判断)。とはいえ、ユーロ危機の対応でもヨーロッパの統合をさらに進めるか否かという議論が軸となっているいま、これを切り捨てるのは政治的にまずい状況を招きかねません。

このイニシアチブは、ウェブサイトによると、
「2005年にオランダの有権者の61%がEU憲法に反対の意思表示をしたにもかかわらず、EUの力はその後さらに強くなっている。ユーロ危機では各国の国家予算に関する権限がEUに認められるようになるなど、国としての発言権は小さくなる一方である。民主主義の形骸化が進んでいる」が、「EUへの権限委譲は国民の明示的な合意なしに進めてはならない」として、(1)EUへの秘密裏の権限委譲の中止、(2)新たな権限委譲にあたっての国民投票実施 を求めています。

2013年2月28日木曜日

IMPACダブリン文学賞 ロングリスト

IMPACダブリン文学賞(International IMPAC Dublin Literary Award)のロングリストにオランダ語の作品が入っているとのことで、ウェブサイトを見てみました。英語で「発行」された小説、つまり他言語からの翻訳も含めた作品に対して授与される賞で、2010年にはDavid Colmerがオランダ語から訳した Twins が受賞しています。
[原著:Boven is het still, Gerbrand Bakker 以前短く紹介]

世界の主要都市の公立図書館が推薦する本の中から選ばれるこの賞、今回は44カ国120都市の図書館が参加したとのこと。対象は2011年中に英語で出版された作品、翻訳の場合は原著の発行が5年以内という条件付き。合計154の推薦作中、翻訳は42あるそうです。これを多いとみるか少ないとみるか...。

オランダ語オリジナルの作品は今回4つ。どれも原著が大ヒットしたとかいうわけではないので、すくいあげる目を持った人たちの力が結集した成果なのでしょう。

  • Conny Braam, Jonathan Reeder (translator), The Cocaine Salesman, [原著タイトル:De handelsreiziger van de Nederlandsche Cocaïne Fabriek]
  • Otto de Kat, Ina Rilke, Julia, [Julia]
  • Tessa de Loo, Brian Doyle,  The Book of Doubt, [Harlekino]
  • Tommy Wieringa, Sam Garrett,  Caesarion, [Caesarion]

このサイト、候補作の表紙が一覧できるのがいいです。クリックすると作品・著者の説明のページに飛びますが、左側に推薦した図書館の名前があります。村上春樹の『1q84』、申京淑『母をお願い』(日本語訳:安宇植、集英社、2011年)もリスト入り。トゥーサンはじめ、気になっていた本もいくつか。

これが10作品まで絞り込まれ、4月初めにショートリストとして発表されることになります。



2013年2月19日火曜日

議会下院、国民投票法案を可決

オランダ議会下院で2月14日、諮問的な国民投票を導入する法案が可決されました。欧州憲法条約批准について国民投票を実施した(結果は否決)2005年に提出されていたにもかかわらず、本格的な審議がないまま年月が経過していたものです。

この国民投票は、EU憲法をめぐる投票と同じく、結果に法的拘束力はありません。議会が法律や条約を可決して担当大臣が署名すると、その法律・条約に反対する有権者は4週間以内に10,000名分の署名を集めて国民投票の実施を求めることができ、この署名が有効であると認められれば、投票実施のためにさらに300,000名分の署名が6週間以内に必要とのこと。結果は諮問的とはいえ、極端に投票率が低い場合でなければ、議会でも民意として考慮せざるを得なくなるでしょう。上院での審議もありますが、順調に行けば2014年1月から施行ということになるかもしれません。

なお、先日イギリスのキャメロン首相がEU残留の是非を問う国民投票を行うと述べたことで、反EUの立場をとるPVVのWilders党首はオランダでもそうすべきだと言っていますが、今回の法案は「議会で一度可決された案件」についての国民投票であり、Wildersが望むEU脱退を直接のテーマとするものとは異なります。

2013年1月23日水曜日

読み聞かせ週間

今年の読み聞かせ週間(De Nationale Voorleesdagen)が今日スタートしました。作家や国会議員、TVに出ている有名人が小学校の幼児クラスで読み聞かせをしたり、図書館や書店でも催しがあったりします。学校はともかく、一面凍りついているお天気なので、イベントにはあまり人が集まらないかもしれません。

国内図書館の児童書担当司書の推薦で決まる「今年の絵本」にはMilja PraagmanのNog 100 nachtjes slapenが選ばれました。2011年に出た作品ですが、読み聞かせ週間にあわせて朗読DVDの付いた特別版が出ます。また、オランダ標準手話(NGT)と補助手話付きバージョンを収録したDVDも発売されるそうです。

2013年の「今年の絵本」を含め、読み聞かせにおすすめの本10冊に選ばれた作品は次の通り。(作家名—タイトル—出版社名)

  • Milja Praagman - Nog 100 nachtjes slapen - Leopold
  • David Meling - Ik will een knuffel - Van Goor
  • Adam Stower - Gek hondje - C. de Vries-Brouwers
  • Guido van Genechten - Superbeesje is al onderweg - Clavis
  • Anna Kemp & Sara Ogilvie - Neushoorns eten geen pannenkoeken - Leminiscaat
  • Gitte Spee - Er was eens een vosje... - The House of Books
  • Tjibbe Veldkamp & Kees de Boer - Agent en Boef en de Boefagent - Lannoo
  • Joke van Leeuwen - Waarom lig jij in mijn bedje - Querido
  • Petr Horácek - Pieter de papegaaiduiker - De Vier Windstreken
  • Mies van Hout - Vroelijk - Lemniscaat

ここで表紙が一覧できます:De Nationale Vooeleesdagen - Prentenboek Top Tien








2013年1月2日水曜日

2013年

あけましておめでとうございます。

伝わるように伝えられるように。
知らないことも楽しめるように。

2012年10月31日水曜日

オランダ、ルッテ首相再任で新内閣発足

9月の総選挙から1カ月半で連立協議がまとまりました。僅差で第1党となったVVDのRutte党首が首相として続投、前政権時代に最大の野党であったPvdAとの新内閣が来週にも正式に発足します。投票日までは財政緊縮策について真っ向から対立していた両党が短期間のうちに妥協案を成立させたことには驚きの声がありました。今回、交渉期間中メディアへの対応は一切しないと発表され、また(少し意外ながら)これが守られたことも関係しているようです。うるさい外野がいなくて話がはかどったということか。

連立合意の内容ですが、日刊紙de Volkskrantは土曜日(10月27日)の新聞で以下の12項目を挙げていました。

  1. 住宅ローンの控除制限
  2. 所得税減税
  3. 国際開発援助の予算減額
  4. 健康保険の保険料を世帯収入に応じて決める制度の導入
  5. 健康保険料の補助制度廃止
  6. 同性婚の受理拒否の禁止*
  7. 労使関係:使用者の負担増(補助金カット+社会保険料アップ)
  8. 国民年金の受給年齢引き上げ:2018年には66歳、2021年には67歳
  9. 持続的な開発にかかわる分野での予算削減
  10. 付加価値税率21%(2012年10月より施行)
  11. 公務員の給与据え置き
  12. 家主(家賃収入)に課税

* オランダでは法的な結婚式は専門の市役所職員(公務員)が行うが、同性の結婚式をボイコットする公務員がいることが問題になっており、議会で審議もされた。ただし、政府としては具体的な対策は行ってこなかった。

今日はこの合意について下院の会議があり、4の保険料制度で激しい議論の応酬があったようです。ニュースによれば、保険会社の顧客センターにも「来年の保険料はいくらになるのか」と問い合わせの電話がかかっているとか。来年に話を詰めて、施行は早くても2014年からということになるでしょうが、どのように具体化されるのか気になります。