2008年10月17日金曜日

ロッテルダム市議会、新市長を選出

今年いっぱいでの退任が決まっているIvo Opsteltenロッテルダム市長の後任に、社会問題・雇用省で副大臣を務めるAhmed Aboutaleb氏が選出されました。15歳でモロッコからオランダに移った氏は労働党(PvdA)に所属。2007年2月に副大臣となる前はアムステルダム市議会で社会問題を担当していました。

市長職は応募者から市議会が選出し、内務大臣が任命します。ロッテルダムはオランダでアムステルダムに次ぐ大都市。反イスラム、移民排斥を声高に主張する流れをつくり、2002年の総選挙直前に銃撃され死亡したPim Fortuynの本拠地でもありました。その街で外国出身・ムスリムの市長が誕生することになったのです。もっとも、Fortuynが大きくし、今も市議会で第二党の勢力を誇る政党Leefbaar Rotterdamは今回の選出にも強く反対した模様。Aboutaleb氏がモロッコとオランダの二重国籍であることを最大の問題としています。また、この点についてGeert Wilders率いる右翼政党PVVは、国会で選出の無効を訴える構えのようです。

2008年10月10日金曜日

秋の政労使三者会議

今週は政府・労働組合・使用者団体の代表が集まる三者協議がありました。毎年春と秋に開催され、注目度も高いのですが、今回は金融危機のニュースの陰に隠れてしまいました。主な合意事項は次の5つ。
  1. 2009年のベースアップ:2008年の水準(3.5%)を上限とする。
  2. 失業保険の保険料の被用者負担分をゼロに、使用者負担分を引き下げる。
  3. 最低賃金所得層・退職者層向けの購買力低下防止策を実施する。
  4. 再就職・転職支援策を強化する("van werk naar werk"「仕事から仕事へ」)。
  5. 解雇手当は75,000ユーロを上限とする(ただし、労働組合MHPはこの案に反対)。
オランダの労働組合はセクター別に組織されていて、その組合(例えば「教職員」組合)がさらに連合して大きな組織をつくるかたちになっています。最大の規模 を誇るのがFNV(オランダ労働運動連合)、次にCNV(キリスト教全国組合)、それに中堅管理職以上の被用者が加入するMHP(中堅・上級職労働組合連合)があり、この3つの組合が「労働者代表」としてが三者協議に参加します。

もちろん事前に打ち合わせをしたうえで三者協議に臨むのでしょうが、それぞれの目指すところがずれている場合もあるようで。例えば今回、協議項目の5番目にMHPが反対するのも当然といえば当然でしょう。オランダでは年収の最頻値は30,000ユーロ前後。管理職なら年収75,000ユーロ以上もあるし、そういう人の多くはMHPの加入者です。結局FNVが強行突破したようなかんじながら、あとで問題になるかもしれません。

この三者協議について気になるのは、新しい働き方をする人たちの声が汲み上げられていないこと。実は労働組合の全体の組織率は30%を切っています。ただ組合員でなくても、セクターごとに決める労働協約(CAO)は適用されるので、この意味で労働組合が協議に参加するのはわかります。でも、企業に属さずに仕事をしている人たちの立場は?

少し前、元教育相で現在 MKB-Nederland(中小企業の団体)の議長を務めるLoek Hermansが、個人事業者(オランダ語では「人を雇わない自営業者」zelfstandig zonder personeel=zzp'ers)の増加でオランダの社会保障制度が危機にさらされていると述べました。被用者として働く人が減ると、国の保険料収入も減るのは事実。このまま個人事業者の割合が増えていけば財源不足の心配も出てくる、という主旨。現行の制度では、個人事業者は保険料を納めず、国の失業保険や労災保険などは適用されません。一方で民間の保険は負担が重く、加入しない人が大多数。セーフティーネットがないまま仕事をしているということで、これはこれで問題になっています。

Hermansは今回の協議で、zzp'ersの増加による影響も議題にしたかったようです。実際に持ち出されたかどうかは今のところ不明。もっとも、この協議に個人事業者の代表は参加していないわけで、当事者抜きで話し合いをしたい、というのもどうかと思いますが。政労使の「労」の意味が広くなったという認識のもとに、多様な働き方を応援するような仕組みをつくる方向に進んでほしいものです。

2008年10月3日金曜日

子どもの本週間始まる

今年もKinderboekenweek(子どもの本週間)が始まりました。今年のテーマは詩だそうで、作家・イラストレーターのJoke van Leeuwenが詩とポスターを寄せています。

Zinnenverzinzin - Joke van Leeuwen
(詩はKinderboekenweek 2008のサイト、ポスターは主催者CPNBのプレスリリースのページより引用)

タイトルのzinnenverzinzinは、そのまま今回の催しのスローガン。日本語では「さくぶんのきぶん(作文の気分)」というかんじでしょうか。 どの作品でもリズム感があり、ユーモアあふれることばを紡ぎ出すVan Leeuwen。翻訳という点から見れば、ことば遊びの要素を別の言語に移した時にその楽しさがどこまで残るか、残せるかという問題が生まれてしまいます が、彼女が書く/描くオランダ語の世界はなんだかとても楽しくて好きです。

各地の図書館や大手の書店では、来週土曜日まで、人気作家のサイン会やワークショップなど、子ども向けのイベントがたくさん予定されています。

2008年9月29日月曜日

世界初、坑道水を利用した冷暖房設備

廃止された炭鉱の坑道にたまった地下水を循環させて冷暖房に利用するというプロジェクトの実用試験が、オランダ南部の街Heerlenで始まります。 オランダ語でmijnwaterprojectと呼ばれるこの計画、地熱エネルギー技術の開発ということではもちろん、廃鉱後すたれた地域の再生という面でも注目されるプロジェクトのようです。鉱脈が続くドイツだけでなく、イギリス、フランスなど複数国が共同して行う取り組みということで、EUの助成金も出ています。

当面は新築のマンション1棟のみでの運用ながら、今後周辺に整備される宅地(350戸)と文化施設に拡大され、さらにコスト面で問題がなければ、学校など大きな建物にも普及を検討していくとのこと。

プロジェクトのウェブサイト(オランダ語・英語)はこちら。

2008年9月19日金曜日

AKO Literatuurprijs 2008 最終候補作発表

AKO Literatuurprijs 2008の「トップリスト(=最終候補作)」が発表されました。オランダ語で書かれた作品(フィクション・ノンフィクション)を対象に、1986年から続いている文学賞です。

AKOは新聞・雑誌を販売するチェーン店。オランダのちょっと大きな駅なら必ずあります。

346の応募作から絞り込まれたのは次の6作品。

Machiel Bosman - Elisabeth de Flines - Athenaeum-Polak & Van Gennep
Tomas Lieske - Dünya - Querido
Doeschka Meijsing - Over de liefde - Querido
Bianca Stigter - De ontsproten Picasso - Contact
Chris de Stoop - Het complot van België - De Bezige Bij
Leon de Winter - Het recht op terugkeer - De Bezige Bij

発表は11月3日。Leon de Winterが大本命のようです。

2008年9月11日木曜日

原子力発電所新設のうごき

与党CDA(キリスト教民主同盟)の議院団長で元環境相Pieter van Geelが先週、オランダ国内での原子力発電所新設は「避けられない」と自身のブログに書いたそうで、それについての反応が報道されている中、オランダで唯一運転中のボルセラ(Borssele)発電所を(別の電力会社Essentと共同で)所有する電力会社Deltaが、原子力発電所の新規建設を申請する方向と発表しました。場所は同じくボルセラ。第1号基の運転開始は2016年を予定。順次2基から4基を建設する計画とのこと。

去年発足した今の内閣は連立協定で原子力発電所の新設はしないとしていることはDelta社の方も計算済み。次期内閣の前半での着工を目指して手続きを進めたい、と述べています。

少し前から原子力発電への回帰の可能性は、というような記事をいくつか見かけていて、これもソフトに民意を問う方法なのかなと思っていましたが、ここへ来て話が急に具体的になってきました。

2008年9月8日月曜日

夏休み終了

イタリア・サルディニア島に行ってきました。連日30度のきもちいい青空の下で2週間。家に帰る日、夜半袖で飛行機に乗ってドイツの空港に到着したら冷たい雨! すでに朝夕暖房が入るような気温です。しっかり太陽の光を貯金したつもりですが、いつまでもつか。

今回の休みは思ったようにメールのチェックができず、自動返信機能に助けられました。いまさらながら、長期の休暇に限らず留守が続くときにうまく使えばストレスが減らせるかも。携帯電話も必ず出られるとは限らないわけで。

休暇はその前後が大変。でもタイミングをはかっていると結局いつまでも休めないというのも事実。今回も結局旅先で片付けることがありましたが、無事終了。帰ってからのちょっとバタバタもやりすごし、すっきりスタートです。